ドジャース32年ぶりWS制覇を誘起したカネと元レイズの頭脳
「選手たちはタフさとはどういうものかを証明してくれた。今年は我々の年だ」
日本時間28日のワールドシリーズ第6戦でレイズを3―1で下し、1988年以来、32年ぶりの世界一になったのがドジャース。試合後のロバーツ監督がこう言ったように、ドジャースナインは投打とも最後までたくましかった。
なにしろ、今年3月時点での選手総年俸はメジャー30球団中、ヤンキースに次いで2位。ワールドシリーズで2勝を挙げたエース、カーショー(32)の平均年俸は約33億円。この日の試合で好走塁を見せ、ダメ押し本塁打を放ったベッツ(28)は来季から年平均32億円の12年契約を結んでいる。
豊富な資金は優秀な選手をつなぎとめるためだけにつぎ込まれるわけではない。
ドジャースは2014年オフ、それまでレイズのGMだったフリードマンを年平均約7億4000万円で招聘、編成責任者に据えてチームづくりを任せている。
フリードマンは08年に弱小球団だったレイズを初のワールドシリーズに導いた人物。もともと投資アナリストで、ウォール街出身のレイズの球団幹部たちに誘われてチーム編成を担うように。低予算ながらデータ重視で強豪に仕立てた人物が、金満球団の編成責任者になってチームはこれまで以上にコンスタントに結果を残すようになったのだ。
「ドジャースは優れた選手をかき集めるだけでなく、育成部門も秀逸。フリードマンがドラフトや育成システムを見直したといいます。カネがあって戦略も優れているのだから当分、天下は続くでしょう」とは特派員のひとりだ。