筒香が所属レイズ “総年俸28位”でもリーグ制覇のカラクリ
海の向こうでは極貧球団が気を吐いている。
今季の年俸総額が30球団中28位(約30億円)のレイズが、日本時間18日のアストロズ戦に勝って12年ぶりのワールドシリーズ進出を決めた。1位のヤンキース(約115億円)にはレギュラーシーズンで8勝2敗と勝ち越し、地区シリーズも勝利。今回のリーグ優勝決定シリーズは同4位のアストロズ(約87億円)を下した。
レイズは総年俸が30位だった昨年も地区2位でプレーオフ進出、ワイルドカードでアスレチックスを下して地区シリーズに駒を進めた。
オーナーのスタンバーグ、球団社長のシルバーマンはいずれも投資銀行出身の金融マン。ネアンダーGMも含めたフロントは、独自のデータや判断基準をもとにチーム編成を行うばかりか、それらはオープナーや極端な守備シフトなどグラウンド内の戦術にも生かされているという。在米ジャーナリストのイチロー桜木氏がこう言った。
「この日先発したモートンは6回途中まで2安打無失点、球数も66球と100球に満たないどころか完投ペース。昨年まで3年連続14勝以上をマークしたエース級ですが、それでもスパッと交代したのはデータと確率を重視したから。プレーオフでは外野を4人で守ったがピタリとはまったこともあった。野手は基本的にユニホームに忍ばせたメモとベンチの指示によって、打者ごとに守備位置を変える。レイズは基本的にフロントが戦略を練っています。とにかく球界の固定観念や常識を疑ってかかることからスタートすると聞きました」
ナ・リーグのリーグ優勝決定シリーズは、ブレーブスとドジャースが3勝3敗のタイ。レイズは19日の第7戦で勝った方と、初のワールドシリーズ制覇を目指して対戦する。