二階氏「五輪中止」発言で晴海フラッグは“負の遺産化”回避
東京・湾岸の晴海エリアに建てられた総戸数5632戸(うち分譲住戸4145戸)の集合住宅は、オリンピックの選手村として利用された後、改修。購入者に引き渡される“五輪レガシー(遺産)”として話題になった。
しかし、新型コロナの感染拡大でオリンピックが延期に。それにともない、晴海フラッグの引き渡しは1年ずれこんだ。すでに1000戸近くが契約済みだが、購入者の一部は、引き渡しの遅れによって生じる家賃保証などの補償を求める民事調停を申し立てているなど、トラブルも起こっている。
「すでに無観客とアナウンスされていますが、世界中から選手がフルで参加するのは極めて厳しく、開催してもグズグズな悲惨な大会になるのは確実です。強行開催して選手村でクラスターが発生し、選手が亡くなるケースがないとも限りません。もしそうなったら、“悲惨な街”として記憶に残ることになるでしょう。感染で死者が出れば、いくら消毒改修をしたところで、選手が亡くなった事実は消えません。部屋の購入者は、重要事項説明で事故物件の説明を受けることになります。晴海フラッグの負のレガシー化が避けられるだけ、購入者にとって中止はプラスだと思います」(榊氏)
新型コロナ感染拡大の中でのオリンピックの開催は、さまざまな面で無理を生じさせることになりそうだ。