著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

メジャー球団は温室効果ガス削減に10年以上前から取り組む

公開日: 更新日:

 米政府が主催し、4月22~23日に行われた気候変動に関する首脳会談は、各国が温暖化ガスの排出削減目標を相次いで打ち出した。

 日本が2013年度に比べて30年度に温暖化ガスを46%減少させる方針を示すと、英国のジョンソン政権は35年に1990年比で78%の削減を表明した。世界最大の排出国である中国も30年までに排出量の削減に転じさせるとした。

 バイデン政権が、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を実現したトランプ政権との違いを強調するために気候変動の問題を利用している背景はあるにせよ、30年に05年と比べて温暖化ガスを50~52%減らすという米国の案も含め、首脳会談に参加した40の国と地域が競い合うように「脱炭素」を口にしている。

 再生可能エネルギーをどこまで導入するかといった実際の取り組みが明確ではない点は、各国とも先に態度を表明し、目標を達成するための道筋はいずれ解決されるというある種の希望的な観測に基づいていることを示唆する。

 ところで、大リーグと温暖化ガスの削減問題は、一見すると無関係であるかのようだが、現在の大リーグで主流となっている可動式のドーム球場を見るだけで、屋根を開閉する際に大量の電力を消費することは容易に想像できる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝