大学生投手の「ドラフト1位」評価は“上げ底”だ 代表から漏れた中にこそ逸材がいる
「今年は高校生より大学生が人気って言うけど、なんだかなぁ……」
6月18~20日、神奈川の平塚で行われた大学日本代表の選考合宿を一緒に見に行った部長がこうボヤいた。
「二刀流で注目される日体大の矢沢宏太(左投げ左打ち)、白鴎大の曽谷龍平(左投げ左打ち)、立教大の荘司康誠(右投げ右打ち)あたりが投手では1位候補ってことになるんだろうけど、みな、球は速いのに、速球も変化球も細かいコントロールがいまひとつなんだ。大学生は本来、即戦力だが、一軍で使えるようになるのに1、2年かかるかもしれない」
高校生のドラフト候補は、入学時からコロナ禍だったために練習や実戦が制限された。それが原因で評価を落としているだけに、大学生もコロナ禍が影響しているのだろうか。
「それはあるさ。大学生にしても練習時間は限られたろうし、対外試合も不足するからな」
今年は大学生49人が合宿に参加、そのうち24人が代表に選ばれた。例えば広島の菊池涼介は中京学院大時代、合宿に呼ばれながら、代表選びの段階で漏れた。それでも広島は2位指名したし、広島以外に狙っていた球団もあった。つまりプロ球団が狙うような選手でも、代表から漏れるケースがあるということだ。