大学生投手の「ドラフト1位」評価は“上げ底”だ 代表から漏れた中にこそ逸材がいる

公開日: 更新日:

■合宿にも呼ばれなかった逸材

 代表を選ぶのは監督やコーチたちだ。明らかに実力が抜きんでていればともかく、そうでない場合は監督やコーチが自分の学校の選手や、同じリーグでプレーする選手を優先的に選ぶ傾向があるのは否めない。マイナーな学校の選手は、それだけでマイナスになりかねない。だとすれば、代表から漏れた中にこそ逸材が転がっているかもしれない。そう思って合宿に呼ばれた49人は目を皿のようにしてチェックしたつもりだ。

 代表に選ばれたのはいずれも知名度のある選手か、先の大学選手権で目立った活躍をした選手たちばかり。選に漏れた選手たちの中にも、これは……と思う逸材は見当たらなかった。

「オレもそう思う。けれども……」と、部長がこう続けた。

「そもそも、力はあるのに、この合宿自体に呼ばれてない右ピッチャーがひとりいるだろうが。小柄だが、去年の秋は良かったもんだから、実は密かに期待もしてたんだけど、この春はちっとも評判を聞かない。試合でもあまり投げてないようだしな。えっと……あいつは……おまえの担当じゃねーか! ちゃんと調査はしてるんだろうな」

 部長からその投手の名前を聞いて、このクソ暑い中、また仕事が増えると思ったね。

(プロ野球覆面スカウト)

【連載】プロ野球スカウトの“逆襲”

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…