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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・青柳晃洋が大卒ドラフト5位からの「大偉業」スーパーエースは今季7勝1敗防御率0.89!

公開日: 更新日:

 普通、大卒ドラフト5位の投手に対して思うことといえば、あわよくばリリーフで使えるかもしれない、それも最初の2年くらいで結果を残せなければあっさり解雇が待っている、といったシビアなものだろう。要するにあまり期待されていない、当たれば儲けもののギャンブル枠。同じドラフト下位でも高卒ならまだ万馬券狙いのロマンがあるかもしれないが、大卒の場合はそのロマン度数も低かったりする。

 そう考えると、今や阪神のスーパーエースとなった青柳晃洋(今季7勝1敗、防御率0.89=13日現在)はとんでもない大卒ドラフト5位である。しかもサイドハンドの変則投法だから、入団当初はエースどころか先発に回ることさえ予想できなかった。それがここまで出世したのだから、その叩き上げ指数は球団史上屈指かもしれない。

 青柳が台頭する前、虎のエースと称された生え抜き投手といえば能見篤史が思い浮かぶが、彼は2004年のドラフト自由枠、つまりドラフト1位相当の評価だった。その能見の前、00年代のエース・井川慶は高卒ドラフト2位で、高校時代から世代屈指の左腕として注目されていた。それ以前、90年代の暗黒時代にエースと呼ばれた藪恵壹もドラフト1位で、昭和の大エース・江夏豊も高卒ドラフト1位、村山実はドラフト制度以前の入団だが、関西大学時代に大学日本一を成し遂げた大物右腕だった。

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