今年の大学選手権は不作どころか“凶作”…高評価投手でも「ドラ2かドラ3」とスカウトため息
「今年はパッとしないどころか、ヒドいんじゃないか……」
神宮球場のネット裏でセ・リーグのスカウトがタメ息をついた。
全日本大学選手権は9日で4強が出揃った。仏教大、上武大、東日本国際大、亜細亜大が11日の準決勝に駒を進めたものの、「これは……という1位候補が見当たらない」(前出のスカウト)というのだ。
スカウトたちが「大会ナンバーワン投手」と口を揃えたのは初戦で大商大に1-2で敗れた富士大の右腕・金村尚真(4年=岡山学芸館)。176センチ、80キロと小柄ながら、延長10回、122球を1人で投げ抜いて8奪三振。伸びのある直球にカーブ、スライダー、フォークを投げるといわれるが、前出のスカウトがこう言った。
「コントロールや変化球のキレはいいし、投球フォームも悪くない。けれども、肝心のストレートがねぇ……。スポーツ紙は150キロ右腕って騒いでたけど、ウチのスピードガンではせいぜい145、146キロ。体も小さいし、伸びしろがどの程度あるのか疑問だね。大学生のストレートなら150キロは超さないと。あの程度なら素材重視でスピードはあるけどコントロールがいまひとつという選手を獲得した方がいい。ドラフトの指名順位? プロでは中継ぎで使えるかどうかだし、2位か3位がいいところじゃないかな」