メジャー球団が編成責任者に毎年15億円も払う本当の狙い

公開日: 更新日:

 元々弱かったデータ部門の刷新、その上で生え抜きの育成、効果的な補強を経て今季、東地区首位と大きな飛躍を遂げたオリオールズ。

 この強さはこの先、しばらく続くかもしれない。MLB公式ページによる下部組織のランキングは1位、アドリー・ラッチマン捕手やガナー・ヘンダーソン内野手に続き、2024年にデビューしそうなイキのいい選手が下部組織にまだ何人もいるのだ。アストロズ同様、今はやりの言い方をすれば「サステナブル(持続可能)」な強さを実現できるか見ものである。

 今季終了後、ニューヨーク・メッツの野球最高責任者兼編成本部長に就任したデビッド・スターンズ氏(写真)は、かつてアストロズでルーノウGMのアシスタントとして、チーム再建に大きな役割を果たした人物だ(オリオールズのエライアス氏の前任者)。こちらも当然アストロズに倣ったチームの再建が期待されるものの、果たしてどれだけの時間がかかるか、かけられるか。

 ニューヨークのファンは何年もかかる「立て直し」を待つほど気長ではないし、ましてメジャーで1、2を争う富豪オーナーであるスティーブ・コーエン氏は、今季メジャーダントツの選手総年俸をつぎ込んだにもかかわらず、序盤でつまずき、シーズン途中でチームを解体せざるを得なくなった悔しさを、そう簡単に忘れることはできないだろう。カネも口も出すこのオーナーは「5年後に勝ってくれれば……」などと悠長なことを言ってくれそうにない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された