大谷翔平も危惧する「二刀流の寿命」…3度目手術なら「配置転換」と投手断念示唆の波紋
ドジャースへの入団が決まった大谷翔平(29)が重い口を開いた。
24日放送のNHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023 伝説と代償 そして新たな章へ~」で、今年9月に靱帯を修復する手術を受けた右肘について語ったのだ。
渡米1年目の2018年10月にもトミー・ジョン手術を受けている大谷は「ピッチャーとしてはもちろん、2度目の手術なので、おそらくもう一度、同じ症状になったら、配置転換。他のどこの野手のポジションか分からないですけど、そういうふうになる」と、今後3度目のメスを入れることになるようなら、投打のリアル二刀流継続は困難との見通しを明かした。
今春のWBC後、米スポーツサイト「ブリーチャー・リポート」で、マイク・トラウト(エンゼルス)とムーキー・ベッツ(ドジャース)が対談し、二刀流の“寿命”について語る場面があった。トラウトから「あと何年(二刀流を)続けられると思う?」と聞かれたベッツは困惑。トラウトは答えに窮するベッツに「5年? 6年?」と畳みかけた。
大谷は来季、打者専門で出場し、投手復帰は25年が見込まれている。リアル二刀流復帰後は投打の主軸としてフル稼働することになりそうだが、本人が言うように右肘に3度目のメスを入れることになれば「配置転換」は免れないのか。
大谷が今年、受けたとされる「ハイブリッド手術」の執刀経験がある京都府立医科大学整形外科の木田圭重医師が「3度目の右肘手術は回避するのが理想です」とこう続ける。
■オペは困難を極め、リハビリも難しい
「私が聞いているのは館山投手(元ヤクルト)、大塚投手(米大リーグ・パドレスなど)が3度の手術を受けています。手術自体は決して不可能ではないとはいえ、手術成績(結果)は悪くなり、選手のリハビリも難しくなると思われます。米国の論文では、トミー・ジョン手術の再手術後の平均キャリアは2.6シーズンと、同年齢の投手の4.9シーズンより短くなるという報告もあります。術後の成績は初回よりも劣ります。一般的に3度も肘にメスを入れるような投手はベテランの域に入っており、復帰できたとしても、満足なパフォーマンスを発揮できない可能性もあります。大谷選手は投手だけでなく、本塁打王になる長打力があるので、3度目の手術を受けて投手に復帰するのは現実的でないでしょう。本人は打撃でチームに貢献したいと考えるのではないでしょうか」