ソフトバンク城島健司CBO「遅かれ早かれ、正捕手はいなくなる。それが今年だったということ」

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甲斐に直接話したこと

 ──それでも正捕手が抜ける影響は大きい。

「ウチの戦力を見てもらうとわかると思いますが、投手陣は経験豊富な素晴らしいスタッフがいますよね。経験の浅い捕手が彼らに教わることも多々あるでしょう。投手だって若い捕手の教育を考えているはず。だからこそのエースであり、高給取りなんですよ。彼らが経験の浅い、給料も少ない捕手を助けてやるのは当たり前。そうやって育ててもらった捕手は、今度は若い投手を育てる。バッテリーってその繰り返しなんですよ。野村克也さんだって、プロ1試合目から経験豊富だったわけじゃないし、甲斐だって最初から日本代表でもない。そもそも、30年後も甲斐がマスクをかぶっているはずがない。遅かれ早かれ、正捕手はいなくなる。それが今年だったということ。球団は組織なので、常にそうした準備や想定はしています」

 ──同じ正捕手を経験した者として、甲斐がFA移籍する際、相談には乗りましたか?

「誰しもそうだと思いますが、転職して新しい職場に行く時って不安もあるじゃないですか。僕ら野球選手の移籍も同じなんです。パからセに行くとDHはないし、本拠地の広さだって違う。まして米国に行けば環境そのものが大きく変わる。しかも、移籍先でまたポジション争いなんて、みんなイヤでしょう。でも、野球人生を振り返った時、それは決してマイナスにはならないんです。もちろん、やりやすい環境でずっとやっていくのも、それはそれで悪いではないと思う。でも、(現役時代に)僕自身、不安を抱えて移籍して、そこでもレギュラーを勝ち取るために必死になった経験が、捕手経験の上積み、捕手寿命の延長につながったと思っている。そうした話は甲斐にしましたし、これまでも移籍を考えている選手に聞かれた時は話すようにしています」

(聞き手=阿川大/日刊ゲンダイ

  ◇  ◇  ◇

 そもそも城島氏が務めるCBOとは、いったいどんな仕事なのか。四軍まである巨大組織を運営する上で、重要なこととはいったい何か。「城島健司のJ的な釣りテレビ」が終了したことについてはどう捉えているのか。

●関連記事【後編を読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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