広島・菊池涼介「僕らは打たなきゃと気負い、投手は力む。今年は打線が投手を助けたい」
菊池涼介(広島・内野手・34歳)
昨季は9月に入るまで首位を快走していた広島。しかし、勝負どころと定めた9月に5勝20敗と失速し、最終的には68勝70敗5分けの4位に終わった。リーグ優勝どころか、2年連続のCS進出も逃したことをチームリーダーの菊池涼介はどう捉えているのか。日刊ゲンダイに歴史的大失速の真相と反省、総額70億円とされる大補強を敢行した宿敵巨人についても激白した。
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──昨季は9月に入るまで首位だった。
「そこまで投手陣に助けられたのが7割くらい。投手は本当に頑張ってくれて、野手陣は頼っていた部分が大きかった。なかなか援護ができない。もどかしかったですね。春先から接戦続きだったことで、投手が秋に力尽きてしまったんだと思います。もっと打線が援護できていれば……というのが、9月の反省です」
──8月までと9月以降のチーム防御率は、優勝した巨人が2.59→2.00、広島は2.25→4.11。同じく8月までと9月以降の1試合平均得点は巨人が3.1→4.0、広島は3.0→2.5。
「カープは下がり、巨人は上がる。一目瞭然ですね。あの9月、僕らは打たなきゃいけない、ここでなんとかしなきゃいけないと気負ってしまった。もっと打撃練習の時のように気楽に打席に入った方が結果は出るんだけど、とてもそんな気持ちになれなかった。投手は抑えなきゃと力む。チーム全体が悪循環に陥ってしまった。個人的にも全く機能していなかった(打率.241)ですね。打順が変わるので、常に役割を探しながら打席に入っていた。いい勉強になりました。って、カープのキャンプを見て何か気付きました?」
──ひたすら打ちまくっている印象。
「そうなんです。第1クールは打撃ばかりで、みんな悲鳴を上げながら一日中バットを振りまくっています。でもその分、守備練習が短いから、(守備面が)ボロボロにならないかという不安もなくはないですけど、課題を克服しよう、底上げしようという新井貴浩監督や首脳陣の考えは理解しているし、僕たちは信じてやるしかありませんから」
──新井監督は昨年の最後、メンバーの大幅入れ替えを示唆していた。
「だから、(今キャンプでは)一軍に若手が結構呼ばれてますよね。今の選手たちは振る力があって体が大きい。ポテンシャルは高いですよ。それを引き出してあげられたら、すごい選手になりそうな有望株がゴロゴロいます」