文庫あらかると
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「警視庁鑑識課 アブラムスの夜」北林優著
早朝、西新井署管内の萩原公園で焼死体が見つかる。出動した警視庁鑑識課の唯は、現場から4キロも離れた公衆電話から通報があったことに疑問を抱き、所轄署の鑑識を公衆電話に向かわせる。 遺体は、切り…
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「心理療法士ベリマンの孤独」カミラ・グレーベ/オーサ・トレフ著、茅律子訳
心理療法士のシリは、大学時代の友人アイーナらとストックホルムで診療所を共同経営。境界性パーソナリティーで自傷癖があるサラや、摂食障害に苦しむシャーロットなどの患者の話に耳を傾けるシリだが、自身も心に…
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「隠し事」羽田圭介著
医療器具メーカーの営業マンの鈴木は、大学時代の後輩・茉莉と同棲中。ある夜、茉莉の入浴中に鈴木がメールを着信した彼女のケータイに何げなく目を向けると、サブディスプレーに渡辺健太の名前が表示され、すぐに…
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「監察医の祈り」上野正彦著
監察医時代に5000体を解剖、2万体を検視して死者の声を代弁してきた法医学者が、関係した事件や自殺を例に、命の尊さを説くエッセー。 事業に失敗して多額の借金を背負ったビジネスマンがビバリーヒ…
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「消えた赤線放浪記」木村聡著
戦前の遊郭や戦後の赤線地帯の名残をとどめる全国各地の繁華街を訪ね歩く色町紀行。 志摩半島の東端、的矢湾に浮かぶ渡鹿野島には、かつて停泊している船に乗り込んで一夜妻を務める「はしりがね」と呼ば…
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「東京タクシードライバー」山田清機著
13人のタクシードライバーの人生を描き出すノンフィクション。 業界最大手の新木場営業所で班長を務める45歳の荒木は、それまで勤務していた会社を辞め家業の料理屋を継いでいた。だが、9年前、離婚…
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「商い同心 千客万来事件帖」梶よう子著
北町奉行所同心の神人は、名主との宴席の帰り道、提灯の明かりに引き寄せられ、家で待つ妹の忘れ形見・多代への土産にいなりずし屋に立ち寄る。店の主人は顔のやけど痕を隠すためと、キツネの面をかぶっていた。 …
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「影の権力者 内閣官房長官菅義偉」松田賢弥著
安倍首相の片腕として政権を支える菅官房長官の半生を取材したルポルタージュ。 秋田県の豪雪地帯の村で生まれ育った氏は、高校卒業後に上京。さまざまな仕事を転々とする中、このまま一生終わるのは嫌だ…
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「生活安全課0係 バタフライ」富樫倫太郎著
杉並中央署「何でも相談室」、通称「0係」を訪ねてきた小学生の光男たちが、携帯電話で撮った猫の写真を見せ、助けてほしいと刑事の冬彦らに訴える。写真の猫は全身が真っ赤だった。やがて、一帯で2カ月前から絵…
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「家族難民」山田昌弘著
人間の幸福には「自分を必要とし大切にしてくれる存在(人)」との「親密な関係」が不可欠。家族難民とは、そうした親密な関係を誰とも築くことができない人々のことで、孤立死の予備群ともいえる。しかし、晩婚・…
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「五代友厚 士魂商才」佐江衆一著
朝の連続ドラマで話題の五代友厚の豪快な人生を描く長編歴史小説。 安政4(1857)年、23歳の薩摩藩士・五代才助(のちの友厚)は、幕府が長崎に開設した海軍伝習所に2期生として入り、勝(海舟)…
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「封印された日本の村」歴史ミステリー研究会編
さまざまな理由で人が去ってしまった「廃村」や「廃虚」を訪ね歩く紀行リポート。 かつて村に通じる道路が引かれておらず、交通手段は船だけだったことから“海賊村”と呼ばれた新潟県の「角海浜」や、足…
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「猫の時間」柄刀一著
自らも猫を多頭飼いする本格ミステリー作家が、猫と人間の心の通い合いを描いた短編集。 ある朝、真子の家に子猫が迷い込んできた。「みゃー」と名付けられ、真子の家で飼われるようになったその猫は、鳴…
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「忍者烈伝」稲葉博一著
伊賀の郷士に命じられ、河内国で幼子を集めていた東天坊が寝起きしていた廃寺に、ある夜、段蔵という名の赤ん坊が捨てられていた。7年後の天文10年、段蔵は東天坊が集めてきた7人の子どもたちとともに忍びにな…
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「角川映画1976-1986[増補版]」中川右介著
日本映画界に新風を巻き起こした「角川映画」の最初の10年を描いたノンフィクション。 1975年、角川春樹氏が創業者の父親の後を継いで角川書店の社長に就任。氏は、角川文庫で「横溝正史フェア」を…
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「鬼降る森」髙山文彦著
大宅賞作家が、故郷の宮崎県高千穂を旅しながら思索を重ねた名著。 かつて山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだほど、高千穂の山は高く、谷は深い。天孫降臨神話と鬼伝説が同居するこの地…
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「ライジング・ロード」高嶋哲夫著
大手電機メーカーで発電システムの開発をしていた29歳の陽子は、上司と衝突して退職し、三陸海岸近くの大学の非常勤講師となる。採用の条件は、大学の知名度を上げるために全日本ソーラーカーレースで優勝するこ…
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「あしたは戦争 巨匠たちの想像力[戦時体制]」小松左京ほか著、日本SF作家クラブ企画協力
小野は、同じ団地に住む会社の後輩・武井から一通の封書を見せられる。数日前に届いたというそれは召集令状だった。翌朝、武井は無断欠勤。不審を抱く小野は他の若手社員にも武井と同じ召集令状が届いていることを…
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「セカンドウィンド 3」川西蘭著
南雲学院高校自転車部のキャプテンになり、皆を率いる立場になった洋だが、自主練習中に転倒して故障してしまう。来年の夏の全国大会で連覇を目指す洋は、はやる心を抑えながら、正月休みに寮から戻った実家の近く…
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「シャーロック・ ホームズの思考術」マリア・コニコヴァ著、日暮雅通訳
名探偵の思考法を最新の心理学と脳神経科学の知見から分析したノンフィクション。 ホームズの人間の心に対する洞察力やものの考え方は、犯罪捜査とは無縁の多くの事柄に応用することができるという。人間…