「家族難民」山田昌弘著
人間の幸福には「自分を必要とし大切にしてくれる存在(人)」との「親密な関係」が不可欠。家族難民とは、そうした親密な関係を誰とも築くことができない人々のことで、孤立死の予備群ともいえる。しかし、晩婚・未婚化に加え、離婚の増大や長寿化によって人々がシングルで過ごす期間は延びる一方だ。シングル化は、子供を産み育てた人と生涯シングルで過ごした人との間に社会保障をめぐる対立を生み出す可能性も秘めている。30年後に300万人を超えると予測される家族難民を生み出さないためにどうしたらいいのかを考察する。
未婚・離婚・死別などでシングル化が進む日本の行く末に警鐘を鳴らすリポート。(朝日新聞出版 640円+税)