「商い同心 千客万来事件帖」梶よう子著

公開日: 更新日:

 北町奉行所同心の神人は、名主との宴席の帰り道、提灯の明かりに引き寄せられ、家で待つ妹の忘れ形見・多代への土産にいなりずし屋に立ち寄る。店の主人は顔のやけど痕を隠すためと、キツネの面をかぶっていた。

 市中にあふれる品物の値の観察や、出版物を取り締まる諸色調掛の神人は、相場よりも安いいなりの値段に驚くが、薄利多売を狙う主人の話に納得する。翌日、味噌醤油問屋川津屋の主人から、隠居した父親が小間物屋から偽のべっ甲の櫛を10両の大金で買わされたと相談事が持ち込まれる。その矢先、別宅で暮らす川津屋の隠居が遺体で見つかる。

 人情や思惑がからみあい、品物の値段から事件の謎を解く新感覚時代小説。(実業之日本社 620円+税)


【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    一部ファンが現実逃避? 中居正広“別人疑惑”再燃…「本人すでに死亡」と考える人々が現れる

  2. 2

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  3. 3

    フジテレビ社員たちの怒声と悲鳴…港浩一社長“自滅会見”で窮地、大手企業CM差し止め要求相次ぎ現場はパニック

  4. 4

    中居正広は松本人志の合コンに、2003年の時点で行っていた? 気になる千原ジュニアの証言

  5. 5

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  1. 6

    兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ

  2. 7

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 8

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  4. 9

    「北朝鮮みたい」…フジテレビの会見を伝える各局のニュースが“静止画”で視聴者ドン引き

  5. 10

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言