「猫の時間」柄刀一著
自らも猫を多頭飼いする本格ミステリー作家が、猫と人間の心の通い合いを描いた短編集。
ある朝、真子の家に子猫が迷い込んできた。「みゃー」と名付けられ、真子の家で飼われるようになったその猫は、鳴き声がまるで人間と会話しているかのようだった。両親は、言葉がうまく出ず幼稚園でも友達と交われない真子が、みゃーに一生懸命に話しかける姿に安堵する。
1年後、真子はみゃーが人間の年なら17歳になったと聞き驚く。これからは1年で人間の4歳分ずつ年をとっていくと知った真子は、みゃーとの時間を大切にすることを心に誓う。しかし、成長し大学生になった真子は家を出て違う町で暮らすことに。(「ネコの時間」)(光文社 660円+税)