「五代友厚 士魂商才」佐江衆一著
朝の連続ドラマで話題の五代友厚の豪快な人生を描く長編歴史小説。
安政4(1857)年、23歳の薩摩藩士・五代才助(のちの友厚)は、幕府が長崎に開設した海軍伝習所に2期生として入り、勝(海舟)らと知己を得る。やがて藩の貿易掛となった才助は、貿易商のグラバーを通じ、蒸気船や銃器などを購入して藩の富国強兵に尽力。文久2(1862)年、生麦事件が起き、イギリス戦艦が鹿児島湾に押し寄せてきた際には、戦争回避の道をさぐり、自ら捕虜となる。薩英戦争後、使節団と留学生を率いて渡欧した才助は、ベルギーとの合弁会社を企画。そして維新後、新政府に出仕し要職を歴任した才助は、夢をかなえるために実業家に転身する。(角川春樹事務所 680円+税)