「忍者烈伝」稲葉博一著
「鳶加藤」と呼ばれた戦国忍者の物語
伊賀の郷士に命じられ、河内国で幼子を集めていた東天坊が寝起きしていた廃寺に、ある夜、段蔵という名の赤ん坊が捨てられていた。7年後の天文10年、段蔵は東天坊が集めてきた7人の子どもたちとともに忍びになるための修行の日々を送っていた。
3年の修練を終えたとき、仲間は3人に減っていた。さらに、断食5日を経て行われた最終試験に合格したのは小介ひとりだけだった。残った2人とともに殺されかけた段蔵は、その場を逃げ出し間一髪、地侍のヒダリに救われる。ヒダリに忍びの術を学んだ段蔵は、さらに山伏から幻術も会得する。
後に「鳶(飛び)加藤」と呼ばれ、謙信や信玄に仕えた忍者を描く戦国忍者小説。(講談社 890円+税)