希望の政治学読本
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「グローバル・タックス」を可能にする方法
新潟の激しい知事選が終わり(この原稿を書いている段階でまだ勝敗は全く予測できないのだが)、選挙戦の過程であらためて気がついたことは、日本の国家権力の真の姿であった。自民党の二階幹事長が経団連幹部との…
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歴史的な反省力こそ人間の希望
先日、久しぶりにスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」を見た。今から半世紀近く前の作品であるにもかかわらず、今見ても鮮烈な印象を与える傑作である。まだ言葉すらもたないサルが空中に投げ…
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「民主主義」をあきらめないために
私たちは今、本当に民主主義的な社会に住んでいるのだろうか? 本書は、24歳まで「全体主義」のブルガリアで過ごし、そこを逃れて残りの3分の2の人生を「自由の国」フランスで生きた思想家の手による…
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日本は「単身者」中心の「分断」された社会
リオ・オリンピックの熱狂が過ぎ去ったが、「次は東京オリンピックだ!」と明るい気分になれないのは私だけか。今日も福島第1原発ではあと何十年かかるかわからない廃炉作業が続き、もちろん放射性物質も漏出し続…
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弱者や少数者と共に希望が語れる社会への道
金と権力にまみれた政治や、その政治を生業とする政治家たちと私たちはどのようにつき合っていけばいいのか。おぞましい政治の世界は、遠くから観戦して面白がるのがせいぜいで、自分はなるべく関わらないように生…
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「おまかせ安全保障」からの脱却
よく、「北朝鮮や中国が日本に攻めてきたらどうする!」と問われることがある。どうなるかよく考えてみる。もし何もしなければ、占領されるかもしれない。けれども占領後、人口1億人以上の先進国をどのように支配…
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「和解」という冒険の世界へ
「和解」は21世紀のキーワードである。人類は今、近代世界で分断されてしまった多くのつながりを再生させるための思想と技とが試されている。「世界を変革しようと思うなら、まずは自分がその変革となれ」という箴…
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共生の地平は共感能力から生まれる
先の参院選終了後、現政権が真っ先に着手したのは、沖縄・高江の米軍ヘリコプター発着場工事の再開であった。本土から機動隊を動員した目に余る強行に「沖縄つぶし!」の声も聞こえてくる。沖縄では今、辺野古や高…
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エネルギー新時代の「常識」
「再生可能エネルギー100%社会」。エネルギー問題に多少は詳しい(と自分では思っている)人ほど、まずそんなことは「非常識」だと思うかもしれない。 この国では、「原子力ムラ」「安全保障ムラ」など…
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「坂を下る」という新しい希望の道程
私たちはいつまで「坂の上の雲」を追いかけ続けるのだろうか。本書が投げかける問いは根源的である。そもそも日本はもうアジア唯一の先進国ではなく、かつてのような成長などありえない。現政権がうたう「成長戦略…
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地域に即して施行する実践的現場主義を
本当に、「この道しかない」(自民党)のか。地方に住んでいると、中央(東京)から発せられるスローガンに反発を覚えることが多い。しかし、経済政策、エネルギー政策、安全保障政策、社会福祉政策、どれをとって…
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9条は日本人の歴史的な「無意識」に根差す「文化」
参院選が終わり、自公政権が「圧勝」だったというマスメディアの報道は、果たして本当だったのだろうか。結果をつぶさに見れば、現政権の「終わりの始まり」を見てとることはできないか。少なくとも、「改憲」への…