14歳卓球王者 張本智和の家庭の事情
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四川省と仙台の自宅を売り払って立ち上げた「張本卓球場」
「これは覚悟の卓球場です」 16年に息子とともに東京に移った宇さんは、その年の8月、仙台市宮城野区の自衛隊倉庫跡に、自らがオーナーとなる「張本卓球場」を立ち上げた。 約200平方メート…
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卓球のプロとアマをめぐるシビアな人的交流の中で生きる
相撲にモンゴル閥があり、駅伝にケニア閥がある。しかし、卓球の中国閥はもっと根が深い。 卓球はもともとヨーロッパで生まれた競技だが、1990年代に入って中国が世界を制するようになった。95年か…
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「パパが一緒じゃなければ」EA入りに際しで母親が言った
張本は小学4年で既に県内敵なしだった。それでも、小学3年のときに地元紙の片隅に紹介されたくらいで、マスコミが騒ぎ始めたのは、小学5年の全日本ジュニアで初勝利を挙げたあたりから。 「水谷隼君が来…
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3歳で片鱗 父親が明かす「チキータ」「チョレイ」誕生秘話
「私のそばにいて、東北一の大学に進んでほしかったのに、いつの間にか……」 張本智和の母・凌さんはため息をつく。いつの間にかというより瞬く間にと言った方がいいだろう……。 1歳になると、…
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「小山ちれ事件」と「智和」の名前に込められた親心
アマチュア選手にとって、日本は天国だ。 実業団に所属すれば、練習時間、練習場所、報酬、宿舎、将来の保証とアスリートファーストで整えられ、競技に集中できる。張本智和の父・宇さん(47)を含め中…
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帰れない理由が次々 両親が仙台で第二の人生を始めた顛末
天才卓球少年の両親もまた、中国四川省チームの男女のエースだった。 国外で研鑽を積んでいた父・宇さんが仙台ジュニアのコーチに就任したのが1998年。 その直後にマレーシア代表のコーチだ…
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母も“天才” 全国運動会でナショナルチームのエース倒した
張本の母も、天才と呼ばれた卓球少女だった。 凌さん(45)は宇さんの3歳年下で、1973年1月8日、四川省重慶で生まれた。卓球を始めたのは小学1年生だが、中国ではこれでは遅いのだという。 …
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父・宇さんと福原愛は仙台のクラブで「すれ違い」だった
張本智和の父・宇さん(47)は、まず選手として海外の舞台に飛び出した。 「25歳だった96年にカタールへ行きました。27歳からはよりレベルの高いイタリアのプロリーグでプレーする機会がありました…
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両親が背負った日中卓球交流 原点は“ピンポン外交”だった
張本智和は2003年6月27日、宮城県仙台市で生まれた。 父親の宇さん(47)と母親の凌さん(45)は中国人だから、張本少年は中国と日本の二重国籍を持っていた。だが、4年前、宇さんと子供たち…
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中国出身の父の夢「第2の故郷となった仙台を卓球王国に」
羽生結弦の復帰が取り沙汰されていた1月末、羽生の地元である宮城県仙台市は、もうひとつの驚きで沸き立った。仙台出身の張本智和が、全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で水谷隼を破り、日本卓球界の頂点に立…