3歳で片鱗 父親が明かす「チキータ」「チョレイ」誕生秘話
「私のそばにいて、東北一の大学に進んでほしかったのに、いつの間にか……」
張本智和の母・凌さんはため息をつく。いつの間にかというより瞬く間にと言った方がいいだろう……。
1歳になると、母は赤ん坊を背中におんぶして仕事場の卓球センターに通った。歩き始めると、ラケットを手にヨチヨチ歩きでボールを追いかけていたそうだ。そうした環境もあるが、3歳3カ月の秋に大会のバンビの部(小2以下)に初めて出場し2人抜きで4位に入るなど、早々に才能の片鱗を見せた。父の宇さんは、ボールゲームは競技を早く始めることがカギだと言う。
「私が驚いたのは、福原愛ちゃんです。彼女は3歳から卓球を始めている。だから、あそこまで強くなった。20年前には中国でもせいぜい5歳からです」
福原愛が幼稚園時代から勝ち続けた話は知られているが、張本の成長も早かった。小学1年で全日本のバンビの部で初めて全国優勝。そこから各年代別で優勝を重ね、男子で初めて6連覇を達成。福原が持つ女子の7連覇に迫り、その間に小4で全日本ジュニア(高校以下)、小6で全日本選手権の一般の部に史上最年少出場を果たした。