ファクトチェック・ニッポン!
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「見ていないものについては言えない」と語る姿に本物のジャーナリストを見た
有力地方紙の京都新聞社で記者が自社の大株主らを刑事告発した。その詳細は既にさまざま報じられている。 告発されたのは、大株主で相談役の白石浩子氏とその息子で取締役の京大氏。浩子氏には、去年まで…
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参院選「ファクトチェック」の主要な担い手は大学生 事実確認の取り組みに期待して
小欄のタイトルにもなっているファクトチェックという取り組みを始めたのは2017年。それから5年。少しはこの言葉も浸透してきたかとは思うが、まだ誤解されている面もある。ファクトチェックとは、政治家ら公…
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今回の選挙を「参議院」というものの機能を考える機会にしたい
7月10日に投開票が行われる参院選挙。ある地域で計画された党首討論が中止となったと耳にした。自民党が参加を拒否したのが理由だという。主催者側の関係者は、「自民党は失点さえなければ勝てると踏んでいるの…
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那覇軍港にオスプレイが3機飛来 なし崩し的に米軍の活動範囲が広がっている
6月に入り、再び沖縄に入った。雨天だったが、私には沖縄で欠かせないルーティンがある。那覇軍港周辺のジョギングだ。那覇市の中心部から500メートルと離れていない。周辺を走るコースだ。 6月7日…
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6月1日は「電波の日」 NHKの前身が民放設立に猛反対していた理由
6月1日は「電波の日」と書いても、ネット時代の今それに特別な意味を見いだす人はいないだろう。しかし戦後の焼け野原から日本が立ち上がる中で、極めて重要な役割を担った日だ。 1950年のこの日、…
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自民議員が中国を「ならずもの国家」と…過激なレッテル貼りは外交上のプラスにならない
バイデン米大統領が日米首脳会談で発言した「Yes」。会談後の記者会見で記者が、ウクライナにロシア軍が侵攻した時には米軍が動かなかったとした上で、「仮に台湾でそうなった時、軍事的に台湾の防衛に関わるの…
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「新あすの会」が発足も…犯罪被害者側の救済が年間6円の負担で良いのか?
犯罪被害者の会が再結成されたニュースはさまざまなメディアで報じられている。通称「新あすの会」の結成だ。私が出演する毎日放送「よんチャンTV」(5月18日)でも、特集で取り上げた。 2000年…
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沖縄復帰50年 米軍基地問題は「本土並み」からは程遠い
復帰から50年を翌日に控えた5月14日、沖縄県警の元幹部を自宅に訪ねた。伊佐栄典さん(82)。私が沖縄でサツ回りをしていた時は鬼署長だった。背が高く厳しい顔でにらまれると緊張したものだ。しかし記者の…
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沖縄のお笑い芸人 小波津正光さんはなぜ米軍基地問題をコントで語るのか?
「ジャーパネット、ジャパネット……」とテレビでおなじみとなった聞きなれた歌が流れて小波津正光さんのコントが始まった。主宰する「お笑い米軍基地」のコントだ。 「きょうの商品はアメリカ軍普天間基地」…
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「ジャーナリストの定義」とは何か 国家資格や認定試験はなく全て自称だが…
この4月から客員教授を務めている大阪芸大短期大学部で学科長の松尾理也氏が「最近、パソコンを開くと立岩さんの発言がドッと出てくるんで驚いています」と笑った。元産経新聞記者で私を大学に呼んでくれた松尾氏…
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NHK前田会長の改革に決定的に欠けている「公共メディア」とは何かという議論
NHKの新経営陣が発表された。女性3人が理事に入り、放送のトップを務めるメディア総局長に林理恵理事が就任。当然、この人事を歓迎する声は多い。過去になかったことで、高い評価は当然だろう。 しか…
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トランプ氏が米大統領だったらウクライナ侵攻は起きていなかったのか
ロシア軍のウクライナ侵攻について、仮にトランプ氏が大統領だったら起きていなかったと話す人を時折テレビで見かける。弱腰のバイデン氏が米大統領だったからロシア軍を止められなかったとの指摘だ。トランプ氏の…
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「プーチン氏と軍高官の間に緊張関係」は正しいか? 事実として言える点は1つ。ロシア側が反発したという点だ
ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長が3月30日に会見で述べたプーチン露大統領に誤った情報がもたらされていたという話がニュースをにぎわせた。ホワイトハウスの記録を見ると彼女は次のように話した…
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Netflixドラマ「新聞記者」について赤木雅子さんと語り合ったこと
壮絶な人生を生きている女性がいる。赤木雅子さん。夫が苦しむ姿を見続け、そして最後の姿も見ている。そしてその原因である国などと争う。 実は、報道の範囲でしか知らない。私は基本的に主要メディアが…
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「プーチン大統領にNOと言えるのはロシア国民」在阪ロシア総領事の言葉をどう読むか
毎日放送の番組で在阪ロシア総領事のテルスキフ・アレキサンダー氏のインタビューが放送された(3月16日)。大八木友之記者の取材に対して、流ちょうな日本語で「NATOは30年間で軍事配備をロシアの国境前…
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批判は自由だが「テレビに出すな」といった意見を封じる風潮には違和感を覚える
引き続きロシア軍のウクライナ侵攻を取り上げる。戦争を終わらせるためにNATOにロシアとの折衝を求めた橋下徹氏の発言に批判が出ているようだ。「テレビに出すな」という意見も散見される。批判は自由だが、「…
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バイデン大統領の本音が表れた演説での「Go get him!」 関西弁なら「いてまえ」
「ロンドンが従順で卑屈な奴隷になり下がってしまうくらいなら、いっそ廃虚に化して灰じんに帰してしまったほうがましだ」。これはBattle of Britainが始まった時のチャーチル英首相の演説だ。徹底…
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バイデン大統領の発言は注視すべき 米軍ウクライナ投入へのステップにも見える
ロシア軍が猛攻をかけるキエフで取材を続けるCNNのクラリッサ・ワード記者が若い女性に「なぜ避難しないのか?」と問う。女性は、「なぜ? 出ていくのは私じゃない。ロシア軍でしょ」と答えた。 2日…
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緊迫するウクライナ情勢 CIAの仕事で最も大きな割合を占めるのが公開情報の分析
ウクライナ情勢が緊迫の度合いを強めている。この原稿が出る時にどうなっているのかを予測することも難しい。アメリカ軍は当初から、ウクライナの東部、つまりロシアとの国境でロシア軍が攻撃を受けたとの「事変」…
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Netflix版「新聞記者」批判騒動 描かれるディテールこそが報道とは何かを教えてくれる
Netflixのドラマ「新聞記者」をめぐって騒がしい。残念なのは、それが特定の人間の批判となっていることだ。現在進行形のスキャンダルをフィクションとして描くのは問題との指摘もあるようだが、逆にそれは…