ラグビーW杯 四方山話
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汽車か戦車か W杯フィナーレを飾るラグビーソングの競演
1カ月以上にわたったラグビーW杯も11月2日午後6時キックオフの決勝戦をもってフィナーレを迎える。ファイナルに進んだのはイングランドと南アフリカ。当コラムのラストは、両国の「応援歌」で締めたいと思う…
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オールブラックスの精神的支柱 HAKAとシダとマオリの魂
「いいか、よく聞け!」「戦いに備えろ!」「うーっ!」 隊列を組み、舌を突き出すと、いよいよ本編である。お馴染みになったニュージーランド代表のハカ。先住民マオリ族の言葉で「HA」は息、「KA」は…
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君が代とラグビー日本代表における良質なハイブリッド
W杯で旋風を巻き起こしているラグビー日本代表だが、日本国籍を持たない選手がいることで驚かれた読者も多かったかも知れない。これは「条件をクリアすれば他国の代表資格を得られる」というラグビーユニオン独自…
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優勝候補ウェールズ 木彫りの「ラブスプーン」の霊力とは
優勝候補のウェールズ代表。来日時に選手が携えていた美しい木彫りのオブジェが話題になった。「ラブスプーン」と呼ばれ、ウェールズに読み書きの文化がなかった400年以上も昔から存在する。言葉の代わりに思い…
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タータンはスコットランド代表とキャンプ地長崎の友好の印
スコットランド代表が訪れる町は、民族衣装をまとったファンであふれかえる。チェック柄のキルトにスポーランというポシェットをぶらさげ、上着は濃紺の代表ジャージーというのが定番だ。本当は英国王室の正装のよ…
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チャールズ皇太子はラグビー嫌い? 曲がった鼻に秘密が
英国ロイヤルファミリーが「W杯にいらっしゃるのでは?」と、前から話題になっていた。 英国王室は、昔からラグビーユニオンと関係が深い。 現女王のエリザベス2世は、1952年からウェール…
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豪州ファンの必需品は「ビニールワラビー」と「マチルダ」
多くの代表チームは国旗の色をジャージー(ユニホーム)に使っているが、ナショナルカラーを別に持っている国は、そちらを使う場合がある。 たとえばイタリア国旗は「緑・白・赤」の三色旗だが、選手たち…
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南アフリカ国歌の「すべての民族の調和を目指す」熱き願い
〈南アフリカ国歌〉 ①コサ語 神よ アフリカに祝福を与えたまえ 誇りを取り戻させたまえ ②ズールー語 我らの祈りを聞きとどけたまえ 祝福を与えたまえ 我らアフリカの同胞なり ③ソト語…
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誇り高き南太平洋諸国の代表 サモアの伝統とタトゥー物語
ラグビーの国際統括団体である「ワールドラグビー」は、以前からW杯出場各国に対して「日本国内において試合以外の公共の場ではタトゥーを隠すように」と奨励していた。理由はいまさら言うまでもないが、日本にお…
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イングランド代表の逞しき胸に咲く「赤い薔薇」の由来とは
英国の国花は薔薇。正確には「テューダーローズ」という。外側が赤い花弁で中心部が白い花弁という不思議な薔薇である。最近は品種改良で似たようなものもあるが、あくまでも架空の花だ。 非公式だが「赤…
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代表出場回数はなぜ「キャップ」?発祥の地で生まれた背景
ラグビーやサッカーで耳にする「キャップ数」とは、代表戦への出場回数を指す。今大会の開会式にトロフィーを掲げて登場した元ニュージーランド代表のリッチー・マコウ氏の148キャップは超人的な記録だ。なぜキ…
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仏代表ファンの「ガリアの雄鶏」と「ラ・マルセイエーズ」
今大会で最もコスプレ率が高そうなのが、フランス代表を応援する人たちだ。皇帝ナポレオンに三銃士、雄鶏、ベレー帽にスーパーマリオなども試合会場で見掛けた。 毎度モチーフには事欠かない。国際大会の…
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国歌を歌わない理由は?アイルランド代表をめぐる複雑事情
28日に日本代表が相対するアイルランド代表だが、開会式で国旗がよく知られている三色旗と違うことに気が付かれた方もいるだろう。ナショナルカラーの「緑」をベースに5つのエンブレムが配された見慣れぬデザイ…
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優勝トロフィーに冠された「ウェブ・エリス」の正体とは
そもそも、なぜ優勝トロフィーが「ウェブ・エリス・カップ」という名前なのか? これは長くラグビーファンをやっている人にはよく知られているのだが、しばしお付き合い願いたい。 今から200年近く昔…
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W杯優勝カップは国王や大統領であっても触れてはいけない
ワールドカップの宴がたけなわだ。開幕前には「日本にラグビーは必要ない」なんて言う人もいたが、日本戦以外の対戦カードのテレビ視聴率も悪くない。そこでコラムニストいとうやまね氏による連載「ラグビー四方山…