幻の五輪代表が語る 失われた夢舞台
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競泳・長崎宏子さん「12歳の私は気にしていなかったが…」
小学1年生の夏から軽い気持ちで始めた水泳。平泳ぎだけはなぜかよく褒められ、うれしさからそればかりを練習していた。 体の成長もあり、泳ぐたびに自己ベストが更新され、小学5年生になる頃には地元の…
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ハンドボール代表・蒲生晴明氏 全盛期逃した“世界のガモ”
「選手としても、チームとしても絶頂にいたのに」 3大会連続で五輪の日本代表に選ばれた蒲生氏がこう明かす。 身長192センチ、92キロの恵まれた体躯を生かしたプレーで、世界得点ランキング…
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元日本記録保持者・香山進介氏 天才スイマー襲った喪失感
お祝いムードの余韻が残る中、ショッキングな知らせが届いた。日本の不参加が決まった5月24日は、香山氏が21回目の誕生日を迎えた翌日だったのだ。 広島・尾道高2年時に出場したモントリオール五輪…
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女子バレー悲運のセンター・池知晶代氏 幻は一生悔い残る
女子バレーボールは、かつて向かうところ敵なしだった。 1964年の東京五輪でバレーボールが正式種目となり、金メダルを獲得した当時の女子チームに付けられた異名は“東洋の魔女”。 その勢…
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体操・梶谷信之氏「1回は出たい」と這い上がりメダル獲得
「ボイコットが決まった瞬間(1980年5月24日)、確か順天堂大学で合宿中だったと思いますが、受け入れられないというか、奈落の底へ突き落とされた気持ちでした。噂になっていたので、『どうなるんだろう』と…
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フェンシング千田健一さん「職場に戻ると仕事がなかった」
千田氏がボイコット決定の知らせを受けたのは、茨城県高萩市での代表強化合宿の最中だったという。 「今でこそ日本はメダルを狙える位置にいますが、あの頃は違いました。だから私にとって五輪に出ることが…
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柔道65kg級・柏崎克彦氏「今でもモスクワ五輪の夢を見る」
出場していれば間違いなく金メダルの有力候補だった。 柏崎氏は寝技の名手として鳴らし、当時は茨城県の公立高校で保健体育の教鞭を執りながらモスクワ五輪を目指した。全日本体重別選手権では4連覇(1…
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陸上・新宅雅也氏「出場していたらメダル取れていたかも」
「国が決めたことには従う。ボイコットが決まっても悪あがきはするな」 中村清監督は常々こう言っていましたから、覚悟はできていました。 ■一報は中村監督の自宅で 所属していたエスビー…
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レスリング太田章氏 五輪延期でもいまの選手が羨ましい
来年7月に延期された東京五輪。自宅待機を強いられ、調整もままならないアスリートは厳しい状況に立たされている。 選手への同情の声は絶えないが「五輪に出場できなくなったわけではないので、今の選手…