いまも続く薬の供給不足…安すぎる薬価では改善は難しい
医薬品は大きく分けて、病院や診療所を受診して医師から処方してもらう「医療用医薬品」と、処方を必要とせずドラッグストアなどで購入することができる「OTC医薬品」の2つに大別されます。現在、医療用医薬品の供給不足が大きな社会問題となっています。
この供給不足は時折報道されるのですが、ジェネリック医薬品企業の品質問題などに端を発したとされるこの問題は、この数年間、ずっと続いているのです。現在も、抗生物質、咳止め、湿布薬に至るまで、数多くの医薬品が供給不足に陥っていて、現場では毎日対応に奔走しています。
医療用医薬品は、国が価格を定めています(薬価)。「薬価」は、国の医療保険制度から、病院や保険薬局に支払われる時の薬の「公定価格」です。一方で、OTC医薬品の価格は、メーカー希望小売価格や販売価格など、一般的な商品と同じ呼称となります。
薬価はここ数年、毎年引き下げられています。この薬価の度重なる引き下げにより、製造すればするほど、あるいはニーズに応じて、迅速に届けようと努力すればするほど、赤字になるような状況となれば、製薬会社や医薬品卸売販売業者の持続性は維持できません。