「スイッチOTC医薬品」は薬剤師による服薬サポートが大切
昨年12月20日、厚生労働省は、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開き、胃酸の分泌を抑制する成分であるPPI(プロトンポンプ阻害薬)3成分の要指導医薬品への指定を承認した──といったニュースがありました。承認されたのはアリナミン製薬の「タケプロンS」(有効成分名:ランソプラゾール)、エーザイの「パリエットS、同10」(同ラベプラゾールナトリウム)、佐藤製薬の「オメプラールS、サトプラール」(同オメプラゾール)です。
要指導医薬品とは、文字通り薬剤師が対面で指導・情報提供する必要のある医薬品のことです。また、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬(OTC医薬品)の中で、医療用医薬品からOTC医薬品に転用(スイッチ)したものを「スイッチOTC医薬品」と呼んでいます。スイッチOTC医薬品は、比較的副作用が少なく安全性の高い成分なのですが、医療用医薬品と成分が同じですので、薬剤師によるしっかりとした服薬サポートが大切です。
胃酸の過剰な分泌をコントロールする薬のスイッチOTC医薬品の元祖といえば、ガスター(同ファモチジン)ですが、この薬は1997年にスイッチOTC医薬品として販売されました。当時、大学院生だった私は、大学の教授からの指示で「保険薬局で薬剤師がしっかり指導・情報提供しているか」について調査を行ったこともありました。