「リンゴ病」が急速に流行中…治療薬はなく妊婦はとりわけ注意
2019年を最後に流行が確認されていなかった「伝染性紅斑」が急増しています。伝染性紅斑は小児を中心に見られるヒトパルボウイルスB19による流行性の感染症です。両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」と呼ばれることもあります。
10~20日の潜伏期間の後に微熱や風邪症状などが見られ、その後、両頬に赤い紅斑が現れます。
多くの場合、これらの紅斑は1週間程度で治まるのですが、成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出るケースもあります。
中でも大きな問題となるのは妊婦の感染です。これまで伝染性紅斑にかかったことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクになる可能性があるのです。
伝染性紅斑は4~5年周期で流行し、最近では15年、19年に流行がありました。24年第48週(11月25日~12月1日)の定点当たり報告数は0.89、第49週(12月2~8日)では0.92と、直近で流行した19年のピークだった定点当たり1.00に近づいています。