「子どもの夜ふかし脳への脅威」三池輝久著
現代日本は世界有数の“短眠大国”だ。この50年間で平均睡眠時間は59分も短くなり、休日の土日でも睡眠時間は30分以上減少している。そして、こうした環境の中で育つ日本の子どもは、一日の総睡眠時間が11時間37分と、世界で一番短いという深刻な事態に陥っている。
子どもの睡眠不足は、自律神経やホルモン分泌に悪影響を与えて肥満の原因になるほか、脳シナプスや神経細胞の働きを低下させ、情報処理能力が著しく低下する。
また、最近の研究では睡眠時間の短い子どもは脳の海馬が小さいことが分かっている。
海馬はアルツハイマーやうつ病に関わる部位で、未発達であることはその後の人生に大きなリスクになると本書は警告している。
(集英社 700円)