「70年代シティ・ポップ・クロニクル」萩原健太著

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 70年代、ロックという外来文化に日本語を絡ませようと、多くのシンガーがチャレンジした。日本語の発音を根底から覆すような矢沢永吉の歌声に、著者は何か大切なものを破壊されるような快感を感じたが、この快感を芸術的な域にまで高めたのが桑田佳祐だ。桑田は日本語に誰も想像しなかったグルーブ(ある種の高揚感)を与えた楽曲群を、歌謡ポップス主流の音楽シーンで大ヒットさせた。それ以後、ロックは歪んだ日本語で歌われるようになり、主流の歌謡曲と傍流のロック、フォークが一気に交わったのだ。70年代の日本のポップ・シーンを15枚の名盤で語る70年代シティ・ポップ論。(Pヴァイン 1700円+税)

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