「字が汚い」新保信長氏

公開日: 更新日:

 パソコンの普及でめっきり手書きの機会が減った昨今。しかし、こんなふうに思ったことはないだろうか。結婚式や葬儀の受付で芳名帳を前にしたとき、あるいは取引先に一筆したためようとして「もっと字がうまく書けたらなぁ」と。

「まさに僕がそれでした。あるとき、某大物漫画家宛てに企画への協力のお願いをするために手紙を書いたんですが、ひどかったんですよ。何ていうか、子供っぽくて字が拙いんです。真面目に書いているのにふざけているようにしか見えず、心を込めたつもりの手紙がかえって失礼な感じになった。これには我ながら軽く絶望しましたね」

 本書は、自分の字の汚さに愕然とした著者が、きれいな字を書けるようになりたいと右往左往した、字を巡るテン末記だ。

 著者が最初に挑戦したのが、いわゆるペン字練習帳の類いである。意気込んで始めたものの、ぬぬぬぬ……とお手本をなぞっているうちに、何を書いているのか分からなくなり、ゲシュタルト崩壊。また別のテキストでは、字形を整えるポイントを覚えるも、先に進むと前にやっていたことを忘れる始末で、悪戦苦闘する。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動