「やってはいけないセルフケア」財前知典著
肩コリや腰痛がつらいとき、患部をマッサージしても無駄であると本書。その理由は、痛みの原因は患部にあるわけではないためだという。
私たちの体には、動作のクセによって“頑張っている部分”と“サボっている部分”がある。このアンバランスによって、思いがけない部分の筋肉や関節に不具合が生じるのだという。つまり、コリや痛みを根本から解消したいなら、体の動かし方のパターンを知った上で、体全体を連動して動かせるようになるエクササイズを行うことが大切なのだ。
本書では、頭を前後に倒す、両腕をひねりながら深呼吸をするなど、自分の体のパターンが分かるさまざまなテストを紹介。胸を反らすようにして体を使うことが身に付いているパターンの人は、背中を丸めて行うエクササイズで体が全方向に動かしやすくなり、コリや痛みの改善につながるという。このタイプの人が胸を反らすようなエクササイズを行うと、かえって体の動きが悪くなり、症状を悪化させることもあるので要注意だ。逆に、背中を丸めるようにして体を使うパターンの人は、胸を反らすエクササイズが有効だ。
肩コリが生じているのに、それをあまり感じないという人も少なくない。しかし、この状態を放っておくと、頭痛やめまいなど不調が悪化する恐れもある。コリの状態もちょっとしたテストで分かるという。手を開いて指をピンと伸ばし、人さし指だけを手のひらにつくぐらいギュッと丸めてみよう。コリを自覚していなくても手や腕が緊張してコリがたまっている人は、人さし指を丸めることができず、小指が開いて傾いてしまうだろう。
長引くコリや痛みを解消するには、体の状態を正しく把握することが大切だ。
(KADOKAWA 1300円+税)