「やってはいけないセルフケア」財前知典著

公開日: 更新日:

 肩コリや腰痛がつらいとき、患部をマッサージしても無駄であると本書。その理由は、痛みの原因は患部にあるわけではないためだという。

 私たちの体には、動作のクセによって“頑張っている部分”と“サボっている部分”がある。このアンバランスによって、思いがけない部分の筋肉や関節に不具合が生じるのだという。つまり、コリや痛みを根本から解消したいなら、体の動かし方のパターンを知った上で、体全体を連動して動かせるようになるエクササイズを行うことが大切なのだ。

 本書では、頭を前後に倒す、両腕をひねりながら深呼吸をするなど、自分の体のパターンが分かるさまざまなテストを紹介。胸を反らすようにして体を使うことが身に付いているパターンの人は、背中を丸めて行うエクササイズで体が全方向に動かしやすくなり、コリや痛みの改善につながるという。このタイプの人が胸を反らすようなエクササイズを行うと、かえって体の動きが悪くなり、症状を悪化させることもあるので要注意だ。逆に、背中を丸めるようにして体を使うパターンの人は、胸を反らすエクササイズが有効だ。

 肩コリが生じているのに、それをあまり感じないという人も少なくない。しかし、この状態を放っておくと、頭痛やめまいなど不調が悪化する恐れもある。コリの状態もちょっとしたテストで分かるという。手を開いて指をピンと伸ばし、人さし指だけを手のひらにつくぐらいギュッと丸めてみよう。コリを自覚していなくても手や腕が緊張してコリがたまっている人は、人さし指を丸めることができず、小指が開いて傾いてしまうだろう。

 長引くコリや痛みを解消するには、体の状態を正しく把握することが大切だ。

(KADOKAWA 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動