「平成批評」福田和也著

公開日: 更新日:

 平成の時代はとにかく責任感のない人、幼稚な人が増えたという。

 たとえば巨額の不良債権を出した住専問題。6850億円の公的資金を投入してまで延命させたが、実は住専は当時の大蔵省の天下り先で、官僚のポスト保持のために守ったのが実情だった。

 先日の「毎月勤労統計」の不正では、誰もが「忙しかったから」という答えに終始する体たらく。

 こうした目の前の利益や自己保身を考える幼稚さは、敗戦後、国家や民族のために死ぬことは最もくだらないと繰り返し語られ、やがて国への献身や誇りをなくしたことが遠因と指摘する。

 幕末に始まった近代化から、現在に至る政治や大衆文化を通じて、日本人の思想と平成を読み解く。

(KADOKAWA 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭