「平成の通信簿」吉野太喜著

公開日: 更新日:

 データを読み解き、平成30年間の日本の推移を考察するコラム集。

 平成元年、1989年はバブル経済真っただ中、日経平均株価は史上最高値をつけた。当時の経済白書には実態を伴った経済成長を続けていると自信に満ちた記述があり、世界の上場企業の株式時価総額ランキングでは1位のNTTをはじめ、上位30社中21社を日本企業が占めている。

 このランキング、2018年度はトヨタの32位が最も上位で日本企業はすべて姿を消してしまった。その原因は、日本企業の退潮とともに、世界経済の主流となる業種の変化による。

 他にも、日本人と同じ生活を世界中の人がすると、地球2・8個分の資源が必要だという環境問題や人口問題、医療費、貧困化など、30年で日本はどう変わり、日本と世界の今はどうなっているのかをデータがあぶり出す。

(文藝春秋 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…