「歯と歯ぐきを強くする 噛みトレ」新谷悟著
いつまでも自分の歯でものを食べたいなら、しっかりと歯磨きをして早めの歯周病ケアを行っておくことが大切。それは間違いないのだが、実は歯そのものだけでなく、口や顎周りの筋肉を鍛えておくことも、歯と歯ぐきの健康には欠かせないという。
口の筋肉が弱まると「唾液力」「咀嚼(そしゃく)力」「のみ込み力」という3つの力が衰えていく。唾液の分泌量が減少すれば口腔内の環境が悪くなって細菌が繁殖しやすくなるし、食べ物を噛み砕く力が弱くなれば十分な栄養を取りにくくなる。そして、のみ込む力が低下すれば食べ物や飲み物が気管に入りやすくなり、誤嚥(ごえん)性肺炎にもつながる。
言い換えれば、3つの力が鍛えられていれば口腔内の環境も良好に保たれて歯と歯ぐきの健康につながり、加齢に伴う疾患リスクも回避することが可能というわけだ。
自分の口周りが老化しているか否かは、次の方法でチェックできる。ひとつは、両方のこめかみ部分を両手の親指で少し強めに押してみる。もうひとつは、両方の奥歯の上のコリコリとした部分を頬の上から中指で少し強めに押してみる。これらのチェックで痛みを感じるようであれば、口や顎の筋肉が衰えている証拠なのだという。
しかし、体の筋トレ同様に口周りの筋肉もトレーニングで強化することができる。例えば、「欲しがりストレッチ」。少し大きめに開けた口の中に人さし指と中指を揃えて第1関節まで入れ、指で下顎を押し下げる。これに逆らうように下顎に力を入れながら、5秒キープすればOKだ。1日5回程度行えば、口や顎周りに加えて、喉の筋肉まで鍛えられるという。
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