「『推し』の科学」久保(川合)南海子著

公開日: 更新日:

 現代人がハマる「推し」という行動を認知科学の知見から分析するサイエンステキスト。

 ファンと推しとは何が違うのか。好きの程度が異なるのはもちろん、ファンである自分が好きな対象をただ受け身的に愛好するだけでは飽き足らず、能動的に何かを行動してしまう対象が「推し」なのだという。

 認知科学や心理学における身体的認知という考え方からその行為を分析すると、自分から対象に働きかけることによって生まれた行為は、心に影響を及ぼし、また新たな行為を起こすというエンドレスの循環が発生。これがいわゆる「沼」と表現されるものだ。推しを推すということは、自分の心や行動が変わることなのだ。

 こうした推す人の心と行動の関係を認知科学における「プロジェクション」という概念から解き明かす。

(集英社 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ