「一晩置いたカレーはなぜおいしいのか」稲垣栄洋著
国民食ともいわれるカレーライス。辛いのに、子供から大人までなぜ日本人はみんなカレーライスが好きなのか。
それはトウガラシの魔法がかかっているからだという。
トウガラシの辛味成分であるカプサイシンによって体に異常をきたしたと感じた脳は、鎮痛作用のあるエンドルフィンを分泌。脳内モルヒネと呼ばれるこの物質には、疲労や痛みを和らげる効果があり、私たちがカレーライスを無性に食べたくなるのは、エンドルフィンによって脳が快感を覚えるからだという。
こうした食材と料理の関係を解説してくれるサイエンスエッセー。
他にも、お好み焼きやそば、フルーツパフェなどの身近なメニューに隠された謎をさまざまな食材から解き明かす。
(新潮社 605円)