「脳を鍛える超呼吸法」関根朝之著 白濱龍太郎監修
近頃ルーティンにしているのが、本書が紹介する呼吸法だ。重要な取材前で緊張しているとき、原稿を書く前に集中力を高めたいときなど、その時々で最適な呼吸法を実践しており、パフォーマンスが向上しているように感じる。
呼吸の基本は「息を吐いて、吸う」。たったこれだけなのだが、長さや深さ、リズムが変わることでその効果も変わるという。例えば、戦闘モードになっているとき、私たちの呼吸は浅く短くなる。一方、のんびりしているときには呼吸は深く長くなっているものだ。そして、意識的に呼吸をコントロールすることで、自律神経の交感神経を優位にしてやる気を起こしたり、副交感神経を優位にしてリラックスできたりするという。
この仕組みを生かし、大きな仕事の直前には長く吐く呼吸を行っている。4秒で吸って、4秒止めて、8秒かけて吐くのを5回ほど繰り返すのだ。この呼吸法を実践することで、心が落ち着いて緊張がほぐれやすくなった気がする。
一方、気合を入れて戦闘モードになりたいここぞという場面では、リラックスしたいときとは異なり、4秒で吸って4秒で吐くを5回繰り返す。短いリズムでの呼吸法はドーパミンを分泌させ、心拍数が上がり、やる気が高まるという。実際、仕事を先延ばしにしてダラダラしてしまうことが悩みだったが、呼吸法をルーティンにしてからは集中して仕事を仕上げられるようになったぞ。
ほかにも、朝すっきり目覚めたり、怒りを鎮めるなどさまざまな呼吸法を伝授する本書。呼吸をしやすくするための横隔膜などのストレッチも紹介している。ちょっとした工夫で大きなリターンが得られる呼吸法。やらない手はない。 <浩>
(KADOKAWA 1540円)