「うまいビールが飲みたい!」くっくショーヘイ著
暑い一日が終わり、仕事の後のご褒美として一杯のビールをグイッと飲む。何物にも代え難い至福のひとときだが、ビアソムリエの著者によると、ちょっとしたひと工夫でビールはもっと劇的にうまくなるらしい。早速やってみた。
これまでは、仕事帰りに買ってきたビールを家に着くやそのままプシュッと開けて飲んでいた。しかし本書は「1日待ってから」飲めという。帰宅までのカバンの中でユサユサ揺られたビールは、炭酸の泡が大粒になっており、飲み口がピリピリとした刺激ばかりになりやすいという。すぐに飲みたい気持ちをぐっと抑え、炭酸が落ち着くまで冷蔵庫で静置させること1日。翌日飲んだビールは、確かに違う! 炭酸がきめ細やかで、香りも長く残る。たった1日でこれほど変わるとは驚きだ。
ビールを注ぐグラスにもひと工夫があるらしい。グラスは冷凍庫で冷やしておくのが習慣だったが、何とこれが大間違いだという。理由は、保存してある食材などの臭いがグラスに移ってしまうこと。そしてグラスが凍るほど冷えていると、注いだビールの一部も凍結して味のバランスに悪影響を及ぼすほか、炭酸ガスが飛んでしまう原因にもなるためだ。
そこで本書に紹介されている通り、程よく冷やすため飲む直前にグラスに氷水を満たして1分待つという方法をやってみた。氷水を捨てて注いだビールを飲んでみると何ということだ。味も香りも以前よりクッキリとクリアになり、しかも泡の粒が均等でなめらかになっている。あぁ、うまい!
本書にはビールの種類別に、ベストマッチするおつまみの選び方なども解説されている。毎日の晩酌がますます楽しくなりそうだ。 <浩>
(リトルモア 1760円)