「地球のかじり方 世界のレシピBOOK」地球の歩き方編集室監修
コロナ禍の水際対策も緩和が始まり、海外旅行のハードルも下がりつつあるが、ここへきて記録的な円安。気兼ねなく世界の国々を旅できるようになるには、もう少し時間がかかりそうだ。
そこで旅行欲を満たす最適な本を入手した。海外旅行の醍醐味といえば何といっても名物料理を楽しむこと。料理はその国の歴史や風土や文化を感じさせてくれるからだ。本書では、世界各国の現地情報を取材してきた地球の歩き方編集室監修で、世界の味を自宅で再現できるレシピ89品を紹介している。
さっそく作ってみたのが、世界三大料理のひとつであるトルコ料理の、メルジメッキ・チョルバスというスープだ。ケバブなどはすでに有名だが、この料理は名前を聞いたこともなかった。レンズ豆という小さな豆で作るスープで、トルコでは朝食の定番らしい。近所のスーパーで材料はすべてそろった。
まずはレンズ豆をニンジンやタマネギと一緒に煮込んだら、ミキサーでペースト状に。これを鍋に戻してバターや塩で味付けすれば、トロリとしたスープの完成だ。レンズ豆の甘みが体に優しく染みわたり、確かに朝食にぴったり。パンととてもよく合う。作り方も意外と簡単だ。
次に作ってみたのが、タイ料理のラープ。肉のサラダのようなもので、鶏もも肉に豚レバー、砂肝をレモングラスというハーブと一緒に煮ておき、この肉を紫タマネギやミントの葉などとあえてナンプラーやライム果汁、粉唐辛子で味付けしたら完成だ。生のキャベツと一緒に食べるとご飯もビールも進んで、暑いタイの屋台の風景が目に浮かんでくる。
海外旅行が完全解禁になったらどこへ行こうか、料理を作りながら考えておこう。<浩>
(学研プラス 1650円)