「デジタル時代の恐竜学」河部壮一郎著

公開日: 更新日:

「デジタル時代の恐竜学」河部壮一郎著

 2007年、福井県勝山市で発見された恐竜の化石は、長らく「ドロマエオサウルス類」と分類されていたが、著者の研究によって、新種の恐竜であることが明らかとなり、「フクイベナートル・パラドクサス」という学名を得た。その決め手となったのが、X線CTスキャナーを用いた恐竜化石の解析だった。

 デジタル技術を用いることで、かつてはうかがい見ることが難しかった内部構造を鮮明に浮かび上がらせ、新たな発見につながったという。

 ほかにも、写真から3次元のデジタルデータを作るフォトグラメトリーと3Dプリンターを用いてイギリスにある恐竜骨格を移動させることなく日本で再現するプロジェクトなど、最新のデジタル機器を用いて化石に残された謎を読み解く恐竜学の最前線を紹介する。

(集英社インターナショナル 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした