「根津や孝助一代記」江上剛著

公開日: 更新日:

「根津や孝助一代記」江上剛著

 日本橋の薬種商「養生屋」の使用人・孝助はよわい十六。品行方正な働きぶりで丁稚たちや主人からも厚い信頼を受けていた。

 ある日、丁稚の末吉が、朝準備の時間になっても起きてこない。心配して様子を見に行くと、脈が弱く、脚もむくんでいる。原因不明の病気“江戸わずらい”にかかってしまったのだ。

 ところが、意地の悪い番頭は「里に戻せばいい」と末吉を見捨てようとする。放っておけない孝助は、1週間だけ末吉を預かることを許されたものの、治療法が分からない。このとき、女中や名医・徳庵の力を借りて作った治療薬は、やがて江戸中の貧者を救うことに。「安くても効く」その薬とは……。

 両親の顔さえまともに分からない貧窮で育った孝助が実直に立身出世の道を開く、感動の時代小説。

(祥伝社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動