「再建の神様」江上剛著
「再建の神様」江上剛著
地方銀行で働く28歳の種生の顧客が、返済不能に陥り自殺。以前から、収益のために投資物件へのローンを顧客に組ませる銀行の方針に疑問を抱いていた種生は、銀行を辞め、旅に出る。目的地は企業再建の神様と言われた早川種三の故郷、仙台だ。就職が決まったとき、父に勧められ、種三の本を読んで以来、心の師としてきたのだ。
仙台に向かう車中で種三の自伝を読んでいると、隣席の男性が話しかけてきた。渋沢と名乗る男性は種三について詳しく、思わず話が弾み、自分が銀行を辞めてきたことも打ち明ける。種生は、企業の再建請負人で、これから会津に向かうという渋沢に誘われ、彼に同行することに。着いたのは温泉宿だった。
人と企業の再生を描くビジネス小説。
(PHP研究所 1012円)