米アカデミー賞受賞 辻一弘さんが貫いた“俺流”の生き方
今回は「君がメークを担当してくれなきゃ役をやらない」とオールドマンからの熱烈オファーに応えてのものだった。映画宣伝の高田理沙さんが言う。
「辻さんは専門学校の特殊メーク科の講師もされていることから、毎年帰国されています。同じ道を夢見るお弟子さんたちから慕われていました。『物事には前例というものがあって、参考にもなるけれど、それが自分にあったやり方かどうかは分からない。こだわりを持って、自分しかできないことを目指す、そして自分の可能性を信じて一度は日本を出て世界を見るべきだ』と指導されているそうです。実際そうされて、熱い情熱と努力を重ねて成功をつかんだのが辻さんだと思います。最初はスミス氏との文通などで独学。『伝えたいことがあって書き続けていたら英語は自然に身についたんです』とおっしゃっていました」
12年以降は現代美術作家として活動、ウォーホルやリンカーン、ダリら著名人の顔を再現する精巧なアートでも才能を発揮している辻氏。映画界から離れた理由のひとつとして、映画ジャーナリスト猿渡由紀さんのインタビューで、こんなコメントが公開されている。