「ホイットニー」封切り 音楽映画ブームは続くか一過性か
「2017年に公開されたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の大ヒットが関係していると思います。ミュージカル映画はその後も『グレイテスト・ショーマン』が人気になりました。サウンドトラックも売れ行きが良かったので、同じ音楽の流れを受けて今度は音楽映画でヒットを狙ってきたのかもしれません。また、今年はラグビーのW杯が日本で開催されます。クイーンの曲はラグビー観戦の時に流れるので、タイミングを計って公開された可能性もあります」
人気の音楽映画だが「このままでは一過性に終わるかもしれません」と映画評論家の秋本鉄次氏は続ける。
「SNSがキッカケで『ボヘミアン・ラプソディ』は当時のクイーンを知っている世代と知らない若い世代の両方から支持されたことが人気につながりました。声援を送りながら映画を見る応援上映や大音量の中で観賞する爆音上映などのノリが受け、ライブ感が味わえ、昭和の父親と平成の子供の世代をつなぐ作品になったと思います。しかし、『アニー』は『ボヘミアン』に比べ勢いはなく、音楽映画の人気は足踏み状態です。ガガがすっぴんやヌード姿で勝負しているのですが、観客はストーリー性よりも『ボヘミアン』のように劇場での盛り上がり、お祭りを求めているのだと思います。封切られたばかりですが、『ホイットニー』は音楽映画の今後を占う上で重要です」
音楽映画にとって今年は正念場になりそうだ。