応援上映も後押し「ボヘミアン・ラプソディ」快進撃のワケ
伝説のバンド、クイーンの伝記的映画「ボヘミアン・ラプソディ」が11月9日の公開以来、国内映画ランキングを快走。今、クイーンブームが再来している。公開から3日間で33.8万人を動員、興行収入4・8億円を記録。尻上がりに動員を伸ばしており、最終的には興収50億円突破も見えてきたというからスゴイ。
都心のシネコンでは、応援上映(観客同士が一体となって歌うことを楽しむ観賞形態)は3日前にほぼ完売、高音質&画質のIMAXも満席回続出の盛況ぶり。観客も明らかにクイーンファンとわかるような人は減り、ごく一般的なファッションのアラフィフ世代や若者などが多く、裾野が広がっている。
公開当初からこのブームを予測していた映画批評家の前田有一氏は「日本で誰もが知っているクイーンの楽曲に『メジャー路線の物語』『音声技術』『マイノリティー』という3要素が加わり、全世代で楽しめる構成になっています」と、こう続ける。
「物語は、フレディ・マーキュリーを中心とした“人間ドラマ”仕立て。薬物シーンなどは極力抑え、クイーンを知らない世代まで全世代にリーチするメジャー路線を外さない内容で“万人受け”を徹底している。物語の要となるライブシーンは、フレディ・マーキュリーそっくりのラミ・マレックがさも歌っているように見えて、違和感がない。実際はクイーンのコピーバンドが演奏し、口パクなのですが、音楽のクオリティーの高さ、口元の違和感のなさ、ライブ映像の臨場感は今のハイテク技術があってこそ。こういったオトナがIMAXで見られるコンテンツは希少で、強大な集客力になります」という。