「ラピュタ」17回目で14.5% ジブリ作品が飽きられないワケ
それにしても、「ラピュタ」に至っては17回目の放送だ。なぜ、長年にわたって人気を維持できるのか、だんだん不思議になってくる。映画評論家のモルモット吉田氏に聞いてみた。
「アニメなので子ども向きの作品ではありますが、世代を越えて親子でも楽しめる作品です。ジブリ作品は何回も見ている人が多く、内容も頭に入っているので、忙しい人でも“ながら見”や、好きなシーンだけ見ている人も少なくないのでは。ジブリ作品が広く一般的に知られるようになった『魔女の宅急便』(1989年公開)以前の作品は、特に構成が緻密に作られ、作画も素晴らしい。『ラピュタ』は冒険活劇で40年代、50年代の古典的な娯楽映画を踏まえて作られているので、高齢者でも楽しめるのでしょう」
とはいえ、いい加減、視聴者は飽きないのだろうか。
「アクションの見せ方がうまいですね。初めに謎があって次に何が起こるのか、大人でもハラハラドキドキさせられます。『ラピュタ』でいえば、飛行艇や天空の島がそうですが、宮崎さんは既存のものではなく、現実社会にないものを空想で作り上げるのがうまく、見ていて楽しい。初公開から数十年経っても、作品の中でしか存在しないものが多く、常に想像力を働かされるので飽きないのでしょう」(モルモット吉田氏)