スタジオジブリ鈴木敏夫<前編>ディズニーを相手に大勝負
スタジオジブリの鈴木敏夫氏とは92年に公開の映画「紅の豚」以来、26年の付き合いになる。何か全身からエネルギーを発している「歩くだるまストーブ」のような方だ。鈴木さんのメールの返事はこちらがどんなに夜中(朝方)に送っても、ほぼ翌日夕方までには返ってくる。文章も必要最小限で。
〈いやその仕事やってもいいんじゃないですか?(笑)〉
〈その文章を書くならこの映画とこの映画(その時は10本も挙げた)を見た方が良いです(笑)〉
鈴木さんのメールの最後には「(笑)」が付くことがほとんどだ。些細なことや、深刻度が浅い場合には、ほぼ間違いなく落語でいえば“さげ”のような、ちょっと笑える1行が入って、(笑)が入る。
特に少々の悩み相談などに回答を頂いた場合などはこの「(笑)」が絶妙な隠し味のように効いてくる。それには鈴木さんの「多少迷っていても、深刻に思えても、だいたい何事も最後になるようになるし、どうにもならないことはどうにもならないことがほとんどですよ」などという、落語的思想(?)が込められている気もする。