著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<178>早貴容疑者逮捕の一報は朝5時半、NHKラジオから流れてきた

公開日: 更新日:

 週刊新潮と週刊文春は4月26日がゴールデンウイーク号の締め切りだった。Xデーとされている27日の情報を誌面で扱うのは難しい。そこで早貴被告が整形しているなどといった記事を作成してお茶を濁しながら、両誌ともに早貴被告がドバイに移住を計画していることを添えた。

 前述したように、「ドバイ移住」はナゾの公衆電話のチクリ主から情報を得た私が20年暮れにフライデーで記事にしたものだ。「早貴が来年4月にドバイへ逃げるから逮捕は難しくなるだろう」という情報であったが、犯人とされていない早貴被告に「逃亡」の言葉は使えなかった。

 もっとも、27日の逮捕はなかったので、私は「オオカミ少年案件」だとがく然としたが、28日に延びたという情報もあったので、午前3時に起きだして、久しく書いていなかった「敵討ち編」を読み返してチェックしていた。

 自分の部屋ではNHKラジオが流れていた。

「今入った情報です。紀州のドン・ファンこと和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さんが殺された事件で和歌山県警は元妻の須藤早貴容疑者を東京都内の自宅で逮捕しました」

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