碓井広義
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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

企画と発想は“その場”で考える「出合い頭」のひらめきが勝負

公開日: 更新日:

「北の国から」や「前略おふくろ様」などで知られる脚本家、倉本聰。なぜ60年以上も書き続けられるのかが知りたくて、半年間にわたる対話を行ってきた。その内容を一冊にまとめたのが、この秋に上梓した「脚本力」(幻冬舎新書)だ。

 巨匠が語った言葉の中から、誰もが「人生のヒント」として応用できそうなものを紹介していきたい。まずは、企画と発想について。

「僕ら脚本家はプロデューサーと話すことが多いよね。ちょっと会おうよ、なんて言われて喫茶店とかで会う。実はこういう番組を考えてるんだけどっていう話になる。2時間は話すとして相手の話を聞きながら、すでに僕の頭の中ではね、どう具体化できるか、どんなストーリーになるかってことを考え始めてますよ。

 そう。絶対、その場で考える。それで、このストーリーならいけるなって思えたときは、引き受けようと決める。基本的なストーリーがひらめかないのに引き受けるってことはあり得ない。逆に、ひらめいたら絶対にその場でプランを作ります。だから翌日にはもう、昨日の件を僕なりに考えたんだけど、こういう話でどうだろうって、相手に提示することが多いですよ」(「脚本力」から)

 日常的に「やりたいこと」をストックしているからこそ、出合い頭の「ひらめき」が生まれるのだ。 (つづく)

【連載】倉本聰の言葉に学ぶ人生のヒント

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