驚異の回復例も 子供の「視力低下」抑制に3つの新技術
「日本コンタクトレンズ学会が定めるガイドラインでは、20歳未満の使用は推奨されていません。しかし、国外では近視の進行が速い子供の方が効果があるといわれており、注意して使えば小児でも使用が可能です」
「コンタクトレンズはちょっと」という人は、子供用の遠近両用レンズ(MCレンズ)を用いたメガネを使うのも手だ。
「3年間使った子供は近視の進行を15%減らした、との報告が国際的に権威ある医学雑誌に掲載されています。最近は、さらに近視の進行を30%減らすというMyoVisionレンズの開発も進められています」
点眼薬による新たな近視進行抑制法も、眼科医の間で関心を呼んでいる。
「低濃度のアトロピンです。以前から眼軸長を抑制するなどの近視抑制効果が知られていましたが、毛様体筋などを弛緩させて瞳孔を長時間開くため、患者さんがまぶしさを感じるなどのデメリットがあると考えられていました。これを100倍に薄めて使うのです。東京医科歯科大学では小学生対象の治験が始まっています」
放っておくと、子どもの近視は進行し、さらに強度近視になれば最悪、失明に至ることもある。早めに医療機関に相談することだ。